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僕の人生の支えになった漫画2選

ごきげんYO!潮来まねきです。

今日は、僕の人生の辛い時期を支えてくれた、大好きな漫画作品を2つ、紹介させてください。

(全4221文字/読了目安時間:約9分)

▼『明日、私は誰かのカノジョ』
(著・をのひなお)

幼い頃に負った顔の火傷の後を隠しながら「彼女代行」として日々お金を稼ぐ女子大生・雪を初めとした様々な悩みやコンプレックスを抱えた女性に焦点を当て、章ごとに異なるヒロインが描かれるオムニバス形式で展開されるストーリー。

人生で1番お金がなくてしんどかった時期に心の支えになってた作品です。

僕は高校卒業後、バイトで貯めた虎の子の貯金100万円とスーツケース1個で上京してきて、他人の家とホテルを渡り歩きながら親の援助ナシで美術予備校に通って美大目指してたんですが、
当たり前だけど周りは普通に家があって家族に学費を払ってもらってる子ばっかりで。
美術の予備校って、毎日その日の課題を上手い順に並べられるんですが、
僕の作品は毎日、クラスでいちばん最下位。

上手いのはその人が努力したからであって、お金があるからじゃない。
どれだけ学費の高い講習を受けても、親のお金で何浪しても、受からない人は受からない
だけど、
自分が深夜までバイトしてるその時間に、周りの受験生は絵を描いてるんだろうなって思うと悔しくて仕方なかった。
帰りは毎回泣きながらそのままバイトに行く。
バイト先は大学生の子や、社会人しながら副業としてやってる子が多かったから、ただの高卒フリーターの自分はすごく見下されてバカにされてて。
(ただの被害妄想かもしれないけど、なんとなくそんな空気を感じてた)
正直、行きたくないけど行かなかったら学費どころか、明日のご飯すら無いかもしれない。

忘れもしない、いちばん悔しかった出来事は、
必死で貯めて申し込んだ授業料約10万円の夏期講習に、風邪を引いて高熱を出し半分以上出席できず、先生に「やる気ある?」と叱られ、事情を話すと「バイトしながら美大受験なんて現実的じゃない」とバッサリ言い切られて、落ち込みながら帰った日の夜。
クラスで1番上手かった子のTwitter(「夏期講習 デッサン」でパブサして特定した)の
「今年の夏は夏期講習を2校掛け持ちして、1ヶ月間毎日朝から晩まで絵を描きました」というツイートに
「貴方は努力の天才だ!」というリプライが付いてるのを見たとき。
涙が溢れて止まらなかった。
毎日朝から晩まで絵が描けるのは確かに凄い努力だ。俺だってできるならそうしたい。
でもそれを実現できるのは、生活を保証して学費を負担してくれる両親が居るからでしょう...?

でも、諦めたくなかった。
学生時代、絵が好きで美大や専門学校に行きたいと言っていた地元の友人が何人か居たけれど、金銭面で親の協力が得られないからという理由でそれらを諦めて、地元でフツーに働いていた。
俺はそういう奴らと一緒にはなりたくなかった。
そいつらの事内心、金を言い訳にして甘えてるだけの、行動力のない意気地無しだってバカにしてたから。
俺は違うんだ。俺だけは違うんだ。俺は1人でも夢を叶えられるんだって証明したかった。

けれど本気で向き合えば向き合うほど、現実を思い知らされて、少しずつ
「この夢は叶わないのかな」と希望が消えかける。

そんなふうに心が折れそうになった時、主人公・雪や、優愛、瑠奈といったキャラクター達の「豊かな環境で育ったであろう人への劣等感」にすごく共感できて、読んでいると彼女達の言葉が自分の気持ちを代弁してくれているような気がして。

辛い時はこの作品を何度も何度も読み返していっぱい泣いて、すっきりしたら帰る。ってルーティンをやってました。

それと実は自分も、雪ほどの目立つような傷ではないけれど、昔母親に怪我をさせられた傷跡が残っていて。
(ボードブック製の本を投げつけられた跡が髪で隠れる位置にあります)
それを母親本人に言っても軽く流されてしまう、という所まで同じで、
そういった部分でも強く共感していました。


キャラクター全員、現実に存在していそうな等身大のリアリティがあるのがこの作品の魅力ですよね。
この作品に出会うまで、ファンタジーやバトル物の漫画ばっかり読んでて、こういった現代社会が舞台の漫画を好きになったことってなかったんですけど、ファンタジー作品には「敵を倒す」という、問題を解決する明確な手立てがある一方で、この作品には完全な「解決」って存在しなくて。
生まれ持った境遇や自分の性格は変えられないけれど、それでも前に進んでいく。

登場人物全員、誇張された嫌味がなくて、身近に居そうな人間臭さがあって憎めないから、
最終回まで読んだ頃にはもう、モブのおっさんにすら愛着が湧いてくる。


作者・をのひなお先生の作品制作に対する向き合い方もすごく好きで。
をの先生のインタビュー記事、調べたらいくつか出てくると思うのでぜひ読んで欲しいです。とくに創作活動をされる方。

をの先生のインタビュー記事、「取材」について言及してるものが多いんですよ。
「明日カノ」には、ホストクラブ、歌い手ファン界隈、ヴィジュアル系バンドのライブといった舞台が、実際そこに居るかのような臨場感たっぷりのリアリティで登場するんですけど、をの先生自身はどれも「明日カノ」で描くまではさほど詳しくなかったというから驚き。
プロの作家さんとはいえ、自分の経験したことないことを取材だけでこんなにリアルに描けるって凄すぎないか...?

それと、読者のことをすごく考えてらっしゃる先生なんだな...ってのをインタビューの節々から感じる。夜職、毒親、整形といったモチーフを描くのに、かなり苦悩されたんだろうなって。
「明日カノ」終了後、美容整形を題材とした作品の構想があったもののどんなにリスクを描いたとしても影響される方はいらっしゃると思いますし、そう考えるとネームを切る手が止まってしまいました。(「ダ・ヴィンチ」インタビュー記事)と言う理由で断念されたそうで、すごく誠実に読者の事を考えて、配慮を重ねた上で作品を描かれている方なんだなぁ...って。
自分は趣味でしか作品を世に出したことがないから、プロの作家さんのこういった視点は持ったことがなかったので、「これが素人と、ヒット作を生み出す作家の違いか...!」と思い知らされた。

多分なんですけど、「明日カノ」の存在は知っているけど読んだことないという方って、夜職、パパ活、毒親、風俗、ホスト... みたいなモチーフの作品があんまり好きじゃないんじゃないでしょうか?

僕もぶっちゃけそうでした。新連載の漫画とか読み切り作品読んでてこういうモチーフ出てきた途端に
あーはいはい、そういう系ね
とそっ閉じするくらいには苦手。

なんだろう、なんか安直に感じてしまうというか。
なんか「作品としての読み味をその展開に頼り切ってる」ように感じちゃうんですよね。
そういう重いテーマって、確かにインパクトは強いけれど、簡単にインパクトが出せる分、安易に使われがちで、そのモチーフを「使ってるだけ」の作品が増えすぎてつまらない。

でも「明日カノ」は違う。
これらのテーマに、ここまで真摯に向き合っている作品はそうそうない。
重いテーマは、あくまで舞台に過ぎなくて、一番の読み味は、ヒロイン達の生き様。

どうなっても皆、自分の人生を生きていくしかないんだなって。
重い展開もある作品ですが、最終話まで読めばきっと、
心がスッと軽くなって、自分の人生が愛おしく思える。
そんな作品だと思います。

▼『メダリスト』(著・つるまいかだ)


──人生ふたつぶん懸けて、叶えたい夢がある。

夢破れた青年・司と、見放された少女・いのり。
でも2人には、誰より強いリンクへの執念があった。
氷の上で出会った2人がタッグを組んで、フィギュアスケートで世界を目指す!
(アフタヌーン公式サイトより)

配信活動を始めてから出会った作品ですが、活動のことで悩みまくっていた時に、自分を導いてくれた作品。

ハマったきっかけとしては、先述の明日カノと同じような理由で、主人公・司の境遇に共感したのが始まり。司の、金銭的事情やスタートの遅さなど多くのハンデを抱えた状態でスケートに打ち込んだ過去に、自分を重ね合わせてました。

当時の自分は、勤めていた職場が潰れたことによって収入が無くなって生活もままならない中で配信活動をしていたので、活動にお金や時間をかけられなくて。
そんな中でも活動で早く上に行きたい、伸びたいという気持ちが強すぎて、ギリギリの状態でも活動にお金をつぎ込んで、睡眠時間を削って配信して、それでもなかなか思うように結果が出なくて苦しんでました。

あと何を犠牲にすればいいのか?
あとどれだけ苦しめば望む遠りの結果が出るのか?
思い詰めて思い詰めて、煮詰まりすぎてなんにも分からなくなって、現実逃避に漫画を読み漁っていた時。

僕にとっては犠牲なんて 神聖なものじゃ全然ない
劣等感でなんにも見えてない奴が一番最初に手をつける 簡単な自傷行為だ
価値を図れない馬鹿な人間ほど ガムシャラに払えばお釣りが来ると思うんだよ』
『犠牲があったって負ける!無くたって勝てる!それが勝負の世界なんだよ!』

第9巻で彼が放ったこのセリフに、胸を貫かれるような衝撃を受けた。

これはまさに今の自分の事だと。
成功を願いすぎるあまり、その代償も考えず、火に薪でも焚べるかのように、なりふり構わず犠牲を払えるだけ払おうとしていた。
そんな自分の愚かさをようやく思い知った。
実際何人も見た事がある。準備に多額の費用を投じても、活動を続けられずに辞めてしまうVTuberを。


けれど幸いにも配信活動は、スポーツと違って、年齢のリミットがあるものでもない。
流行り廃りはあれど、自分がどこで、何で勝負するかは選べる立場だし。


勝利には犠牲が必要なのか。

その答えはさておき、
失うものを考えずただただ犠牲を払い続けることは、努力などではなくただの自傷行為でしかないのだとこの作品によって気付かされました。

以上。

なんだか作品紹介というよりは、自語り成分多めになってしまいましたが、ライバーなんて自分語りしてナンボでしょ。
このクソ長い文を最後まで読んでくださってありがとうございました。

コメントでもリプでも枠でも感想お待ちしております。
よければ「いいね」も押してくださると励みになります。

ではまた。チェケラ!


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