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例のブツ(今月までの限定公開)

2019年に書いたBL
巻き込むのは申し訳ないので、名前をアルファベットに変えました( ˇωˇ )

すきも、かわいいも、あいしてるだって、
あいつが恥ずかしがるから言わないだけで、
勝手に口から出てしまうなら、
…まぁ、仕方ねーよな。
ーー
【素直薬】にご用心。
ーー
へんてこりんな、まるでどこの危ない薬かというものを、俺の前に持ってきたのは、Cだった。
その箱は拳の大きさで、黒字にデカデカとピンク色で【素直薬】と書かれていて、裏には「倦怠期のカップルに♡」と書かれている。
ひとつため息をつき、お前は毎度そういうものをよく見つけてくるよなぁと口に出すと、Cは笑ってドヤ顔をかましてきたが、別に全く褒めていない。
「お前ら、ちゃんと付き合って3ヶ月だろ!そろそろ倦怠期じゃねーの?!」
「余計なお世話だ。」
俺はCにチョップをかます。こいつはつくづく変なものばかり寄越してくる。女子高校生だろお前、と毎回つっこむが、お得意のドヤ顔で、頑張れなんて親指を立ててくる。
「そもそも、なんでお前が俺らの倦怠期を気にするんだ。前世からの繋がりとはいえ…」
俺がパッケージを開けて説明書を読むと、Cはしょんぼりとした顔をこちらに向けた。
「…俺が関わると、みんな破局するからさ…」
手のひらで顔を覆い、「うっうっ…」と嗚咽を漏らしている。
「…いや、嘘泣きすんなよ」
俺が2度目のツッコミを入れると、Cはバレた?とはにかんで、高らかに告げた。

「Bに対する嫌がらせです!!!」
「やめたれ」

ーーーーーーーー
結局、Cに押し付けられる形で、素直薬を家に持って帰ってきてしまった。けれど、実際Bは普通に素直で、別に薬をつかって素直になるなんて、そんなことをせずとも素直だし、普通に毎日いちゃついていると思う。
飲み物に混ぜるとあら不思議!つい素直になっちゃいます!!なんていう馬鹿げた説明書を読みながら俺はため息をついた。とりあえず、水に溶かすだけ溶かしてはみたものの、そもそも、こんなものに効果はあるのか。あったらあったで、それは普通に危ない薬ではないか。「感想待ってるぜ!」とはにかむCが脳裏に過ぎり、少しイラッとした。
そんなことを考えていると、ガチャりと鍵を回す音が聞こえる。俺の鍵を持っているやつなんて、家族かBしかいない。「ただいまー」と間延びする声はどう考えても俺の彼のもので、何気なく俺の口が緩んだ。
「A、食材買ってきた」
「おー、おかえり。」
買ってきた食材を冷蔵庫に入れたCは、真っ直ぐ俺の元にくる。グラミスの今日もクルクルのくせっ毛を軽く撫でると、嬉しそうに目を細めた。あー、かわいい。こいつは前世から男で、俺の親友で、可愛いなんて言う感情は持ち合わせていなかったはずなのに、どうしてこんなにも愛おしく感じられるのだろう。そのまま髪の毛に口付けをすると、Bは少し恥ずかしそうに「ちょっと、A」と、俺の名前を呼んだ。可愛い。俺のBがまじ可愛い。
天使だなんて、よく俺の隣で小さな女の子をみてボソボソ呟いていたのは、紛れもなくシオンだ。あの時は、全くその感情は分からなかった。否、可愛らしいと言うなら分かるが、天使という言葉はよく分からなかった。けれど、最近になって少し、なんとな分かるようになってきた。ただ、愛しすぎて語彙力が減る。うん。それだ。わかる。
俺は俺の名前を呼びながら困ったような、甘えたいような顔のBをもう一度撫でて、立ち上がった。
「料理してくる。オムライスでいいだろ?」
「あ、うん。Aのオムライス好き」
「おー。まぁ、期待して待ってろよ。」
たっまごー、たっまごーときゅーうーりーと、俺は口ずさみながら冷蔵庫を開け、材料を取り出す。鶏肉と玉ねぎを刻んで、油を敷いてから炒めて、その上にご飯を追加する。暫く中火で炒め続けて、バターを溶かして、それからあえる。卵はふわふわトロトロなのがあいつの好みだから、練習して少しは上手くなったはずだ。それに、レトルトのハヤシライスを温めてソースとしてかけてやる。レトルトだからって手抜きじゃねーぞ。無印良品最強だからな。…と、そんなこんなで、オムライスは完成した。
「おい、B。できたぞー」
「ん。うまそう」
「手洗ってこいよ」
こくんと頷いて、Bは洗面所へ向かう。オムライスを思ってか、少しウキウキしてる気がする。あいつが手を洗っている間にコップを2つ、あとは水。…そして、そこでその素直薬の存在を思い出した。
「なぁ」
「ん?」
座ったBは、俺の方を「はやく」とでも言いたげに見つめる。俺は2つのコップを運んで机に置く前に言った。
「Cが素直薬を寄越してきたので、このコップのどちらかに入れた。どっちか選んで飲んでください」
「はぁ?????」
「はやくとって」
「嘘だろ?!」
「はやく」
「…わかったよ」
Bはおずおずと、左のコップを手にする。
「…そっちでいいのか?ホントに?」
「そういうのやめろよ!!!つか、なんだよ素直薬って」
「俺もよく読んでない」
「読めよ」
「いただきまーす」
「おい、話聞け」
俺は手を合わせ、スプーンでモグモグとオムライスを口に含む。うん、美味い。
続きはろくめが食べました。無念。


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